使い方ガイド

MacでDXFファイルを作成する方法
— 相手が開ける図面データにするために

「図面はDXFで送ってください」と言われた。加工業者、設計事務所、取引先——受け渡しの現場でいちばんよく指定される形式がDXFです。この記事では、MacでDXFを作る方法と、送ったデータが相手の環境で正しく開くために確認しておきたい5点を整理します。

DXFは「渡すための形式」

DXFは、CADソフト同士で図面をやり取りするために作られた交換用のファイル形式です。線・円・円弧・文字・寸法・レイヤといった図面の構成要素を、ソフトの違いを越えて運ぶことを目的にしています。

画像やPDFとの違いは、受け取った側が線を編集したり、加工機に流したりできることです。画像やPDFは「人が見る」ためのもので、そこから正確な線と寸法を取り出すことはできません。「PDFで送ったら、DXFで送り直してくださいと言われた」のはこのためです。

MacでDXFを作る3つの方法

1. 図形描画ソフトから書き出す

DXFの書き出しを持つ描画ソフトもありますが、注意が必要です。描画ソフトは図面としての単位や縮尺の情報を持っていないことが多く、書き出した瞬間に「実物の何ミリなのか」という根拠が失われることがあります。寸法も、多くの場合は寸法要素ではなく文字と線として出ます。ロゴのような形だけのデータには使えますが、図面には向きません。

2. オンラインの変換サービスを使う

手元のファイルをアップロードして変換するサービスがあります。手軽ですが、業務の図面には向きません。図面には寸法・部材構成・取引先の情報が含まれていることが多く、社外のサーバーへアップロードすること自体が守秘義務に触れる場合があります。この点はPDF変換の記事でも詳しく触れています。

3. 2D CADで最初から図面として作る

いちばん確実なのは、実寸・レイヤ・寸法を持った図面として描き、それをDXFとして書き出す方法です。縮尺の根拠がファイルに残り、相手のCADでもレイヤや寸法がそのまま扱えます。

「開けない」「ずれる」の原因は5つ

1. 形式のバージョン

DXFには制定年代の異なる複数のバージョンがあり、古いソフトは新しい形式を読めません。逆に、新しい形式でしか表せない要素(後述の曲線など)もあります。相手から指定があればそれに従い、指定がなければ、いちばん広く読める古い形式で書き出すのが安全です。また、テキスト形式ではなくバイナリ形式のDXFは対応していないソフトがあります。

2. 単位

DXFの中の座標は単なる数値で、それがミリメートルなのかインチなのかはファイルの設定で示されます。この設定が正しくないと、開いた瞬間に25.4倍(あるいは25.4分の1)の大きさになります。日本の図面はミリメートルで作るのが一般的です。

3. 文字

フォントの違いで文字の幅が変わり、枠から溢れることがあります。加えて、日本語の文字コードの取り違えで文字化けが起きることもあります。症状と対処は文字化けの記事にまとめています。

4. 曲線

自由曲線(スプライン)や楕円は、古い形式のDXFには表現そのものがありません。そのため、古い形式で書き出すと細かい直線の集まりに置き換わることがあります。見た目は同じですが、受け取った側で1本の曲線として編集することはできなくなります。曲線を曲線のまま渡したい場合は、新しめの形式を選ぶ必要があります。

5. レイヤ・色・線種

レイヤ名は基本的にそのまま運ばれますが、色番号と線種の解釈はソフトによって差が出ます。「線の太さが全部同じになった」「補助線が実線で出た」といったズレは、この対応表の違いで起こります。渡す相手が決まっているなら、テストで1枚送って開いてもらうのが最短です。

Olmeの場合

当サイトで開発している Olme(オルメ)は、macOSネイティブの2D CADです。DXFの読み込みと書き出しに対応しており、実寸(mm)・レイヤ・寸法を保ったまま書き出せます。書き出しは互換性の高い古い形式(R12)を基本とし、曲線を含む図面のときだけ、曲線を保てる形式(R2000)に自動で切り替えます。日本の建築・土木で使われるJWW形式(.jww)の読み書きにも対応しているため、受け取った図面をDXFに直して渡す使い方もできます。

渡す前のチェックリスト

  1. 相手が指定した形式バージョンで書き出したか(指定がなければ広く読める古い形式で)
  2. 単位はミリメートルになっているか
  3. 実物の寸法どおりの大きさか(縮尺をかけた状態で出していないか)
  4. レイヤ名・線の意味づけが、相手に伝わる名前になっているか
  5. 書き出したファイルを自分でもう一度開いて、文字と曲線を確認したか

Olmeの公開通知を受け取る

Olmeは、縮尺・寸法・DXFを前提に作られたmacOSネイティブの2D CADです。DXFの読み込み・書き出しに対応し、JWW形式もそのまま開いて保存できます。買い切りで、月額・年額の課金はありません。現在リリース準備中(2026年公開予定)で、公開時は7日間の無料お試しからご利用いただけます。公開時のお知らせは、メールアドレスのご登録で受け取れます。

よくある質問

DXFとDWGは何が違いますか?

どちらも図面のファイル形式ですが、DWGは特定のCADの保存形式、DXFはソフト間の受け渡しのために公開されている形式です。「相手が何を使っているか分からない」場面での交換にはDXFが使われます。DWGでの納品を求められた場合は、その形式に対応したソフトが必要です。

どのバージョンで書き出せばよいですか?

相手に確認するのが確実です。指定がない場合は、古い形式(R12)がもっとも広く読めます。ただし自由曲線を含む図面では、古い形式にすると曲線が直線の集まりに変わります。曲線が重要な図面かどうかで選び分けてください。

相手はWindowsですが、Macで作ったDXFで大丈夫ですか?

DXFはOSに依存しない形式なので、そのまま開けます。気をつける点は日本語の文字コードとフォントで、これはWindows同士のやり取りでも起こりうる問題です。文字を含む図面を初めて渡すときは、1枚テストで送って表示を確認してもらうと安心です。

受け取った.jwwの図面をDXFにしたいのですが。

変換の手順と、変換で崩れやすい箇所はMacでJWWファイルをDXFに変換する方法にまとめています。相手がJWW形式のまま受け取れるなら、変換せずに渡すほうが情報は失われません。

関連ガイド

Olmeは独立に開発されたソフトウェアです。JWW形式・DXF形式を扱いますが、他のCADソフトウェアの著作権者とは関係ありません。