ガイド

Macで間取り図を作成する方法
— 寸法の合った間取りを描いて、A3で刷るまで

家づくりの打ち合わせ、リフォームの検討、家具の配置、賃貸の募集図面。ひと口に間取り図といっても、使い道によって必要な正確さがまったく違います。部屋の雰囲気をつかめればいい図と、工務店や設計事務所と寸法を詰めるための図は、作り方から別物です。Macで間取り図を作る方法を使い道別に整理し、寸法の合った間取り図を描くときのポイントをまとめます。

間取り図は「何に使うか」で作り方が変わる

  • 模様替え・家具の配置を考えたい — 部屋の形と家具の大きさが分かれば十分です。立体で見られる間取りアプリが向いています。
  • 家づくりやリフォームの打ち合わせに使いたい — 壁の位置・部屋の寸法・窓や扉の位置が、相手と同じ数字で話せることが大事です。寸法の入った図面が必要になります。
  • 賃貸や売買の募集図面を作りたい — 見やすさが第一ですが、広さの表記には業界のルールがあります(後述)。

このうち、手間がかかるのに道具選びで失敗しやすいのが2つ目です。以下はおもに「寸法の合った間取り図」を作る場合の話です。

寸法の合った間取り図にする4つのポイント

1. 基準の寸法(モジュール)を決める

日本の木造住宅では、910mm(半間)を1単位として間取りを組むことが多く、尺モジュールと呼ばれます。廊下の幅、押入れの奥行き、畳の短辺がおおむねこの寸法です。1,000mmを単位にするメーターモジュールを使う住宅会社もあります。

先に基準の寸法を決め、その間隔で格子状の線(通り芯)を引いてから壁を置くと、部屋の大きさが自然にそろいます。910mm×1,820mmがちょうど畳1枚ぶんの大きさです。

2. 壁の中心線(壁芯)で描く

間取り図の寸法は、壁の厚みの中心線どうしの距離で書くのが一般的です。これを壁芯(へきしん・かべしん)といいます。建築基準法の床面積も、壁などの中心線で囲まれた面積で数えます。

ここで注意したいのは、壁芯の寸法は、実際に使える部屋の広さより大きいことです。壁の内側どうしで測った寸法を内法(うちのり)といい、家具が入るかどうかを確かめるときはこちらを見ます。マンションの登記簿の面積は内法で記録されるため、広告に載る壁芯の面積より小さくなります。

3. 縮尺と用紙を先に決める

住宅の間取り図は、1/100か1/50で描くのが定番です。A3用紙(420×297mm)に1/100で刷ると、実物で42m×29.7mの範囲が入ります。一般的な住宅の1フロアなら余白を残して収まり、1階と2階を並べることもできます。部屋ごとの寸法や家具まで書き込みたいなら、1/50で1フロアをA3に収めるのが見やすい大きさです。

縮尺の考え方は図面の縮尺とはで詳しく説明しています。

4. 広さの表記(帖・㎡・坪)をそろえる

  • ㎡ — 基本の単位です。面積はまず㎡で出します。
  • 帖(畳) — 不動産広告では、畳1枚あたり1.62㎡以上(壁芯面積を畳数で割った値)として表示する決まりがあります。地域によって畳の大きさが違うためです。
  • 坪 — 1坪は約3.31㎡です。土地や建物全体の広さでよく使われます。

どの表記を使うにしても、図面の中で「壁芯か内法か」「㎡か帖か」がそろっていないと、打ち合わせで数字がかみ合わなくなります。

Macで間取り図を作る方法

  • 方眼紙と鉛筆 — 1マスを910mmに見立てれば、最初の検討はこれがいちばん速いです。修正と共有に弱いのが難点です。
  • 間取り作成アプリ — 部屋や家具をドラッグで置いていき、立体で確認できるものが多くあります。雰囲気をつかむには便利ですが、寸法の細かい指定や図面としての書き出しには向かないものもあります。住宅向けの定番ソフトの中には、Windows専用でMacでは使えないものもあります。
  • 図形描画ソフト・プレゼンテーションソフト — 手軽に始められますが、縮尺と寸法の根拠が残らず、印刷すると大きさが合わなくなりがちです。
  • 2D CAD — 実寸で描き、寸法を入れ、縮尺どおりに刷れます。工務店や設計事務所と同じ図面の形式でやり取りできるのも利点です。

Olmeの場合

当サイトで開発している Olme(オルメ)は、macOSネイティブの2D CADです。寸法の合った間取り図に必要なことは、次のように扱えます。

  • A3の図枠から始められる — 表題欄(図面名・縮尺・日付など)のついたA4・A3・A2の図枠が入っています。縮尺は1/100や1/50を選んで、あとは実物の寸法をミリメートルで入力していきます。
  • 通り芯から壁を起こせる — 一点鎖線で通り芯を引き、複線で910mmずつ平行に増やせます。壁は複線の「両側」を使うと、通り芯の両側へ同じ距離で線を振り分けられます。
  • 面積を測れる — 部屋の角を順にクリックすると、実物の大きさでの面積(㎡)と周りの長さが出ます。
  • 寸法をまとめて計算し直せる — 直したい範囲を枠で囲んで端点をまとめて動かすと、枠に入った寸法の数値も実測から計算し直されます。壁の位置を動かしたときの寸法の直し忘れを防げます。
  • A3に縮尺どおりで刷れる・PDFにできる — 印刷した図面をスケールで測っても合います。PDFにしてメールで送ることもできます。
  • JWW形式で保存して渡せる — 建築の現場で広く使われているJWW形式のまま保存できます。工務店や設計事務所から届いた .jww の間取り図を開いて、書き込んで返すこともできます。

描き始めるときの手順

  1. 用紙と縮尺を決める(住宅1フロアならA3・1/100か1/50)
  2. 通り芯を910mm(または1,000mm)間隔で引く
  3. 通り芯の両側へ壁の厚みを振り分けて、壁を描く
  4. 窓や扉の位置で壁を切り、扉の開く向きを円弧で描く
  5. 部屋名・寸法・面積を書き込む(壁芯か内法かをそろえる)
  6. A3に刷ってスケールで確かめる。共有するならPDFかJWW形式で

Olmeの公開通知を受け取る

Olmeは、縮尺・寸法・DXFを前提に作られたmacOSネイティブの2D CADです。実寸で描いて、縮尺どおりに刷れます。JWW形式のまま保存できるので、工務店や設計事務所との図面のやり取りにも使えます。買い切りで、月額・年額の課金はありません。現在リリース準備中(2026年公開予定)で、公開時は7日間の無料お試しからご利用いただけます。公開時のお知らせは、メールアドレスのご登録で受け取れます。

よくある質問

完成した家を立体で見たいのですが?

Olmeは2D専用で、3Dの表示はできません。立体の確認には3Dの間取りアプリを併用するのがおすすめです。先に寸法の合った2Dの間取り図があると、3Dに起こすときも数字に迷いません。

工務店からもらった .jww の間取り図をMacで見たり直したりできますか?

OlmeはJWW形式の図面を開いて、編集して、JWW形式のまま保存できます。届いた .jww が開けないときの原因はJWWファイルがMacで開けないときの原因と対処法にまとめています。

家具や建具の記号(部品)は入っていますか?

Olmeには部品集は入っていません。手持ちの図形ファイル(.jws)のフォルダを登録して、図形ライブラリとして使う仕組みです。詳しくは.jwsファイルとは?をご覧ください。

畳数や坪数は自動で出ますか?

面積測定で出るのは㎡です。帖や坪で書きたいときは、㎡から換算して書き込みます(1坪は約3.31㎡。不動産広告の帖は1帖1.62㎡以上が目安)。

関連ガイド